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課題

シフト作成

病床数

200床~399床

従業員数

600名~899名

地域

中部

機関

病院

作成時間を20時間から8〜10時間へ短縮。エピタルHRがもたらした業務改善

長野医療生活協同組合 長野中央病院は、急性期から包括期まで7つの病棟機能を有する322床の病院です。同院では、夜勤に対応できる看護師の不足に加え、手作業によるシフト作成にトータルで約20時間を要し、管理業務を大幅に圧迫していました。勤務時間内だけでは作業が終わらない状況でした。そこでエピタルHRを導入した結果、夜勤配置の自動化などによってシフト作成時間を約6割削減できました。現在では、管理者が本来注力すべきスタッフ育成や組織基盤づくりに向き合える環境が整いつつあります。本記事では、導入の経緯や具体的な効果について詳しくお話を伺いました。

導入前の課題

  • 夜勤対応者が不足するなか、希望表の転記やシフトをパズルのように組む手作業に月約20時間を費やしていた
  • 転記ミスによって希望休がずれることがあり、修正するたびにシフト全体を考え直す大きな負担が生じていた
  • 勤務時間内に作業が終わらず、残業になっていた

導入の決め手

  • 「エピタルHR」を先行導入した医療機関から、師長のシフト作成業務が大幅に楽になったという評価を聞いていた
  • 手作業でゼロから組んでいたシフトの4〜5割程度を自動作成できるという説明を受け、ほとんどの師長が導入に賛同した
  • 導入には、令和6年度の「医療施設等経営強化緊急支援事業」補助金を活用した

導入後の結果

  • 夜勤配置をゼロから組む作業が短縮され、作成時間は約20時間から8〜10時間となり、約6割削減できた
  • 残業時間が半減し、休日をしっかりと休養にあてられるようになった
  • シフト作成に伴う心理的負担が軽減され、スタッフ育成や病棟の基盤づくりに時間を充てられるようになった

手作業によるシフト作成に月20時間。夜勤帯の人員不足と煩雑な管理業務が現場を圧迫

──貴院における看護体制の特徴と、人材面で直面していた課題について教えてください。

岡宮美満副院長兼看護部長(以下、岡宮様):当院は322床の届出病床を持ち、ICU・HCUから回復期、地域包括ケアまで7つの病棟機能を備えています。いろいろな事情により、勤務時間に制限がある職員がいるため、多様な働き方ができるようにしています。 そのため夜勤体制においては、2交替制と3交替制を組み合わせて運用しており、シフト作成業務が複雑化していました。

当時、人材面においてもっとも大きな課題となっていたのは、夜勤を担当できる看護師の不足でした。育児中の職員や育休明けの時短勤務者、夜勤免除の対象となるスタッフが一定数在籍しており、夜勤業務にフルに従事できる人員が限られていたためです。

──現場の看護師の皆様が抱えていた業務上の課題と、本来目指している看護のあり方についてお聞かせください。

岡田真賢看護師長(以下、岡田様):現場の看護師が本来注力すべき業務の中心は、患者様への直接的なケアです。

しかし当時は、医師ごとに業務の進め方が異なっていたり、院内の電子カルテの操作ルールが統一されていなかったりする状況がありました。その結果、各所から情報を集める作業や代行業務が増加し、患者様と直接向き合って対話する時間を十分に確保できていませんでした。

藤本二三子看護師長(以下、藤本様):目指していたのは、患者様やご家族へのケアや指導に十分な時間を充てられる看護です。その実現に向けて、看護師が患者様の近くで業務を行うセル看護提供方式を取り入れました。

私の病棟では毎日6〜8件ほどのカテーテル検査や処置があり、入院対応などに追われ、所定の時間までに業務を終わらせることが優先されてしまいます。そのため、ベッドサイドへ赴いて患者様の訴えに耳を傾ける時間を十分に確保できない状況でした。本来目指していたのは、患者様やご家族へのケアや指導を提供できる環境の実現です。

──看護師長として、どのような業務負担を感じていたのでしょうか? また、本来注力したかった業務について教えてください。

藤本様:看護師長になると、患者様やご家族からの多様化する要望や相談への対応といった業務が増加します。現場で生じるさまざまな問題の解決に、多くの時間を割かれる場面も少なくありませんでした。

岡田様:管理者として本来注力すべき業務は、スタッフの育成や、職員が自律的に成長できる環境・仕組みづくりです。

あわせて、院内の委員会活動や看護部全体の業務基盤の整備など、病院組織全体に関わる業務も担わなければなりません。しかし実際には目の前の対応に追われ、組織づくりに向けた取り組みへ十分に時間を充てることが困難な状況でした。

──導入前のシフト作成業務では、具体的にどのような負担が生じていたのでしょうか?

岡田様:シフト作成は手作業の工程が多く、管理者の業務を大幅に圧迫していました。スタッフが紙の一覧表に手書きした希望を自作のExcelへ転記し、組み合わせの相性や条件を1つずつ確認しながらパズルのように配置していたためです。

トータルの作成時間としては約20時間を要していました。1箇所でも条件が崩れるとパズルを考え直す必要があり、非常に頭を使う作業です。シフト作成の時期になると「1週間ほど他の業務が止まってしまう」という感覚があり、管理業務が滞る点も深刻な課題でした。

藤本様:手書きの希望表からシステムへ移す際、転記ミスによって希望休が1日ずれてしまうような事態も起こり得ます。開示後に指摘を受けて慌てて修正するなど、修正には労力がかかっていました。以前は時間外で作業する必要が生じていました。

シフト作成の「4〜5割を自動作成できる点」への期待。師長の賛同を得て合意したエピタルHRの導入

──エピタルHRの導入を検討されたきっかけについて教えてください。

岡宮様:当院が所属する長野県民主医療機関連合会(長野県民医連)のネットワークを通じて、すでにエピタルHRを導入していた医療機関からご紹介いただいたことが最初のきっかけでした。

先行導入した病院から「師長たちのシフト作成業務が大幅に楽になった」という運用評価を伺い、当院でも詳しい話を聞いてみたいと考えた次第です。

──他社のシステムとの比較検討は行われたのでしょうか? また、現場への提案から導入決定に至るまでのプロセスをお聞かせください。

岡宮様:当院独自で他社システムを取り寄せて比較検討することはしませんでした。ご紹介いただいた医療機関が導入時に複数社を比較したうえで選定されていたことや、県内の他院でも同じシステムが活用されていた経緯を聞いていたためです。なお、導入にあたっては令和6年度の補助金「医療施設等経営強化緊急支援事業」を活用しました。

現場への提案にあたっては、師長会議の場にエピグノの担当者をお招きし、現場の師長たちに向けて直接プレゼンテーションをしていただきました。そのうえで「どうするか」を尋ねたところ、ほぼすべての師長から「ぜひ導入してほしい」と前向きな声が上がったのです。

岡田様:その説明のなかで、これまでゼロから手作業で組み立てていたシフトを、4〜5割ほど自動で作成してくれるというお話がありました。ゼロから考える負担がそれだけ軽減されるのであれば、導入したほうが現場は楽になるだろうという確かな期待を持てました。

作成時間を約6割削減。創出された時間をスタッフ育成や病棟の基盤づくりへ

──導入後、システムが安定して稼働するまでにどのようなサポートがありましたか?

藤本様:導入初期に受けた個別サポートは、定着に向けた大きな支えとなりました。当病棟は2交替と3交替が混在し、夜勤3名のうち「2名が2交替、1名が3交替」という複雑な体制をとっているため、この条件に対応できなければ実務への適用は困難でした。

そこで日程を合わせ、1回1時間ほどの面談を2回実施していただきました。前月に生じた課題や修正したい点を詳細にお伝えし、スタッフごとの勤務回数や曜日などの基礎データ入力から手厚く支援していただきました。一人ひとりの条件を確認しながら設定を詰められたことで、無事に運用へ移行できています。

──システム導入により、シフト作成の手順や作業負担はどのように変化しましたか?

岡田様:トータルの作成時間が20時間程度から8〜10時間へと短縮され、5〜6割の工数削減につながりました。

以前は、まず夜勤のメンバーを決めてパズルを当てはめ、空いた枠に日勤や休みを組み込む手順をゼロから頭で考えていました。エピタルHRはこの夜勤のパズルを組む作業を大幅に短縮してくれるため、もっとも大きな強みだと思います。

藤本様:以前は休日や日勤を当てはめてから夜勤を組むなど、すべて頭の中で一人ひとりの条件を考慮しながら配置していました。現在はシステムが最適化してくれた案をもとに微調整を加える進め方に変わり、ゼロから考えなくなりました。

時間外の作業時間が減り、平日の夜に数時間ほど作業する程度でできるようになっています。休日をしっかりと休養にあてられるようになった点も大きな変化です。

──シフト作成業務が効率化されたことで、管理業務や働き方にはどのような変化が生まれましたか?

岡田様:先ほどもお話ししたように、以前はシフト作成の時期を迎えると、他の業務が1週間ほど止まる感覚がありました。
導入後は1〜2日程度で、日常業務の合間に作成できるようになっています。本腰を入れて身構える必要がなくなり、心理的な負担は大幅に減りました。

そうして生まれた時間をもとに、以前から課題と感じていたスタッフ教育や病棟のシステム構築、院内の委員会活動など、本来注力すべき管理者業務へ少しずつ時間を充てられるようになりました。10段階で表すと、仕組みづくりは7程度まで進んだ感覚があります。

藤本様:勤務表作成以外の細かな管理業務にも関われる時間が増えました。業務時間外にしっかりと休息を取れるようになり、気持ちに余裕を持って日々の病棟業務に向き合えています。

職員が気持ちよく働き続けられる環境へ。シフト作成の効率化がもたらす心のゆとりと組織の基盤づくり

──看護師の皆様が日々の業務に向き合うなかで、管理職として今後はどのような働き方を実現していきたいとお考えでしょうか?

藤本様:もっとも大切にしたいのは、職員が気持ちよく、長く働き続けられる環境を整えることです。

勤務表もそうした職場づくりの一つです。普段の業務のサポートや悩みへの対応などを通じて、そうした環境を整えていければと思います。

──看護現場にはシフト作成以外にも多種多様な業務が存在しますが、今後はどのような組織改善を進めていきたいですか?

岡田様:組織内において、看護部や各部署、病院全体で策定されているさまざまなルールやマニュアルの整合性を高めていきたいと考えています。

現場では、医療安全や感染対策、各診療科などでそれぞれルールが明文化されているものの、内容が相反して臨床現場でジレンマが生じる場面もあります。こうした基準を総合的に整理し、矛盾なく運用できる仕組みを構築できれば、どのスタッフであっても組織として一つの塊になれるはずです。

──シフト作成業務の負担を感じつつも、まだ専用ツールの導入検討に至っていない医療機関に向けてメッセージをお願いします。

岡田様:エピタルHRを導入することで、何より勤務表作成に伴うストレスから解放されます。創出された時間を他の業務へ充てられるようになりますし、プライベートでも家族の笑顔が少し増えます。もちろん改善の余地やさらなる要望はまだあるものの、現段階の機能であっても導入する価値を十分に実感できるはずです。

藤本様:以前は1カ月のうち4分の1から5分の1ほどの時間を勤務表作成に費やしており、精神的にも大きな負担となっていました。導入後はそのストレスから解放され、病棟のさまざまな業務に関わる時間をしっかりと確保できています。なにより時間外の作業がなくなり、自宅で本当に自由な時間を過ごせるようになりました。同じような負担を抱えている管理者の方々には、ぜひ導入をお勧めしたいところです。